重要 – Beta は前処理の必要な水試料は受け入れ不可です。濁った水のサンプルの場合、サンプルを提出する前に、0.7ミクロンのガラス繊維ろ紙でろ過し、すべてのデブリを除去する必要があります。
水文学に必要なδ18OとδDの値の解釈は、ご提出者に委ねられています。水のδ18O および δDの分析は安定同位体質量分析(IRMS)およびキャビティリングダウン分光法(CRDS)によって行われます。
ご提出 – 水のサンプルの採取やご提出に関しての詳細は、 地下水の放射性炭素年代測定 のページをご覧下さい。
サンプルについてご質問がある際は までお問合せ下さい。
Beta Analyticは水(液体)試料のδ18OおよびδDの測定に同位体平衡法を用いています。 この方法は、淡水の試料に適しています。 海水(塩分濃度 約35 g/1 L)も平衡時間をより長くとることにより正確な分析が可能です。 塩性湿地、過塩性の湖や潟湖、海の熱水などの塩分濃度の非常に高い水 (e.g. 塩分濃度が100g/ Lを超えるもの)などは平衡法による分析には適していません。 塩分に依存するCO2とH2O間の同位体分別効果によって、通常δ18O では0.5 o/oo以上 の、δD では5.0 o/oo以上のオーダーで誤差が発生します。 こういった試料で正確な結果を得るためには、分析後、同位体種と試料の塩分濃度に応じた補正を行うことが必要です。
参考文献:
Kendall C., Caldwell, E., Isotope Tracers in Catchment Hydrology (1998) Elsevier Science B.V., Amsterdam. Pp 51-86.
Christophe Lécuyer, Véronique Gardien, Thomas Rigaudier, François Fourel, François Martineau, Alexandre Cros, “Oxygen isotope fractionation and equilibration kinetics between CO2 and H2O as a function of salinity of aqueous solutions”, Chemical Geology, Volume 264, Issues 1–4, 30 June 2009, Pages 122-126.
François Martineau, François Fourel, Anne-Marie Bodergat, Christophe Lécuyer, “D/H equilibrium fractionation between H2O and H2 as a function of the salinity of aqueous solutions”, Chemical Geology, Volume 291, 6 January 2012, Pages 236-240.
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同位体の初歩:同位体分析に関する基礎知識
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最終更新:2023年6月