耳石の放射性炭素年代測定では、個々の魚の絶対年代や輪紋形成を確認することができます。多くの年代検証技術がある中で、放射性炭素年代測定のみが、種々の魚、特に長期間生きた魚の絶対年齢を調べることが可能です。耳石標識として核実験起源の放射性炭素を使用することが、寿命が長い種の年代確認のための最も正確で妥当な方法の一つとされています。※1
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耳石は、魚の年齢を推定するのに使用される成長線で、木の年輪に似ています。耳石には成長率を示す2つの層があります。一つは半透明層で速く成長した期間を示し、もう一つは輪紋と呼ばれる白い不透明層で較的ゆっくりと成長した期間を示しています。輪紋形成は、木の年輪形成に類似しており、両方とも年代測定に用いられます。
輪紋は、通常1年に1層形成されますが、実際に1つの層が1年の成長と等しいのか検証するには更なる研究(例:化学的にタグ付けした魚の標識再捕獲など)が必要です。こうしたデータと魚の大きさの比較を組み合わせることで、種の成長の早さが明らかになります。
こうした輪紋には、魚が紋輪形成時に存在した場所の環境を示す化学的組成を保有しています。微量元素や同位体を含むこの化学的組成を測定することで、その寿命を通してどのように移動したのかを追跡することが可能です。
魚の耳石分析は、死亡率や集団構造の推定や資源量の見積りに焦点を当てた研究等、さまざまな研究に用いられています。
魚の頭骨の中には、「耳石」という硬い炭酸塩物質があります。この部分は、聴覚だけではなく、体の平衡感覚に関与しています。また、魚の耳石には扁平石(へんぺいせき)、礫石(れきせき)、星状石(せいじょうせき)の3種類があります。ちなみに全ての魚が耳石を持っているわけではなく、また、耳石を有している場合、耳石の特徴は種によって異なります。
耳石の地球化学的な分析では、魚自体のことと、移動や年齢、成長率などを含むその生態について多くのことを明らかにすることが可能です。
Beta Analyticでは、魚の耳石の放射性炭素年代測定を受け付けております。試料の推奨量は、5-20㎎。ラボでは、加速器質量分析装置 (AMS) を使用して年代測定を行います。AMS分析に必要な最低量は前処理後のカーボンの状態で300マイクログラムですが、この量よりも少ない場合でもお引き受けできる場合もございますので、ご相談ください。また、耳石の放射性炭素年代測定をお申込みの場合は、追加料金なしで安定同位体13Cおよび18OもIRMSにて測定いたします。
前処理は、ご報告する結果に直接的に影響を及ぼしますので、事前に前処理について弊社へご相談いただくことも可能ですし、前処理が終わり次第、AMS分析を行う前に弊社よりご連絡するよう手配することも可能です。
ISO 17025認定機関であるBeta Analyticでは、放射性炭素年代測定結果を14営業日以内にご報告しています。また、料金には、品質保証レポート、暦年代較正(適用可能な場合)、過去の結果や分析状況にいつでもアクセスできるオンラインサービスを含んでおります。詳細については、 弊社までお問合せください。
魚の耳石や他の炭酸塩の場合、Beta Analyticでは放射性炭素年代測定とは別で13Cおよび18O安定同位体分析を実施していますが、安定同位体分析の測定値の解釈については、ご提出者に委ねられています。
以下の測定もご提供しています:
– 火葬骨、有機物質のδ13C測定
–火葬されていない骨の δ13C and δ15N測定
–水の δ13C, δ18O and δD測定
ラボでの前処理が不要のサンプルに関しては、7営業日以内に安定同位体分析結果をご報告しております。前処理が必要な場合は、14営業日以内の報告となっております。試料のサイズや測定料金に関してのご質問は、弊社までご連絡をお願いいたします。
参考: